2026.06.20
投稿日:2026.08.22 最終更新日:2026.08.22
こんにちは。有限会社 ぺんき屋美装の多田です。
外壁塗装のお問い合わせをいただく際、多くのお客様が気にされるのは「どの塗料を使うか」「いくらかかるか」という点です。しかし、塗装工事において本当に重要なのは、塗料のグレードでも見積もりの安さでもありません。
一番大切なのは、「施工前に建物を見に行く人間(下見・現地調査を行う者)が、どれだけ建物の構造と現状を理解できているか」です。
今回は、先日見かけた「他社施工による外壁塗装の膨れトラブル」の事例を交えながら、なぜそのような失敗が起きてしまうのか、そして失敗しない長持ちする塗装を手に入れるために知っておいてほしい「下見の重要性」について詳しくお話しします。
目次
今回ご紹介するのは、他社様が過去に塗り替えを行ったALC(軽量気泡コンクリート)外壁の建物です。 写真を見ていただくとわかる通り、外壁のあちこちにぽこぽこと大きな「膨れ(水ぶくれ・空ぶくれのような状態)」が発生しています。

指で押してみると、塗装の膜が完全に浮いて中に空気や水分が溜まっているのが分かります。
そして、ここに塗られているのがどのような塗料なのかは、一目見ただけでも概ね察しがつきますが、現場で「爪を立ててグッと押してみる」ことで確信に変わります。押し当てた指を離すと、塗膜にクッキリと爪の跡がそのまま残るのです。
硬く固まる通常の塗膜であれば爪の跡などつくはずもありません。弾力を持って伸び縮みする性質があるからこそ爪跡が残る——これこそが、ここに水性の弾性塗料が塗られているという「動かぬ証拠」です。

せっかく高いお金を払ってきれいに塗り替えたはずなのに、数年でこのような状態になってしまっては、お施主様にとっても非常に残念でなりません。
では、なぜこのような不適合な塗装が行われ、塗膜の膨れが発生してしまったのでしょうか?
今回のケースの根本的な原因は、「水を吸いやすく湿気を抱えやすいALCやパワーボードに対して、水性の弾性塗料を選んで塗ってしまったこと」にあります。
塗装の知識があまりない方からすると、「弾性塗料=ヒビ割れに強くて伸びる良い塗料」というイメージがあるかもしれません。確かに弾性塗料は、地震などで壁に細かいクラック(ひび割れ)が入った際にも、塗膜が伸びて水の侵入を防ぐというメリットを持っています。
しかし、「ALCやパワーボードの外壁に対して水性弾性塗料を塗る」というのは、業界ではご法度とも言える非常にリスクの高い組み合わせなのです。
ALCや、木造住宅向けに作られた薄型ALCである「パワーボード」は、内部に無数の細かい気泡を含んでいるのが特徴です。この気泡構造のおかげで断熱性や耐火性、遮音性に優れている反面、「非常に水分を吸いやすく、湿気を抱え込みやすい」という繊細な性質を持っています。

爪跡が残るほどの気密性が高く・伸びる水性弾性塗料を、このような性質を持つ外壁に塗り重ねてしまうと、次のような現象が起こります。
材料費が安く済むから、あるいは単に「ひび割れ防止」という表面的な理由だけで安易に水性弾性塗料を選んでしまうと、このような悲劇が生まれます。

「膨れた部分だけ削って塗り直せばいいのでは?」と思われるかもしれません。 しかし、現実はそう甘くありません。
一度このようにあちこちで膨れが発生してしまうと、部分的に直しても別の場所から次々と新しい膨れが出てきます。根本的に解決するためには、浮いてしまった塗膜をすべて削り落とす(剥離する)作業が必要になります。
建物の素材を見極めず、間違った塗料を選んでしまった結果、次回の塗り替えが非常に困難になり、最終的にお施主様が一番大きな損を被ることになってしまうのです。

ここで一つ考えていただきたいことがあります。 「こんな間違った施工をしたのは、現場で塗った職人の腕が悪かったからだ」と責めることができるでしょうか?
答えは、一概に職人だけの責任とは言えないということです。
現場で実際にローラーやガンを持って施工する職人は、会社や現場監督から「今日の現場はこの塗料でこれを塗ってくれ」と指定されて入ります。 下請けの職人や経験の浅い若手であればなおさら、上司や元請けから「この塗料で塗れ」と言われれば、たとえ違和感を抱いたとしても指示通りに塗るしかありません。会社や上司の決定に逆らって現場を止めることは難しいのが現実です。
つまり、現場で手を動かす職人の施工技術以前に、「どの塗料を使ってどう施工するか」という設計・計画の段階で、すでに失敗が決まっていたと言えます。
では、その設計や計画はどこで決まるのでしょうか? それこそが、一番最初にお宅へ伺う「現地調査(下見)」の段階です。
外壁塗装のプロセスは以下のようになります。
見落とされがちですが、見積書を作った時点で、使う塗料や工法はほぼ確定します。 そして契約が交わされれば、現場の職人はその見積書通りに塗るしかありません。
つまり、下見に来た人間が建物の構造(ALCやパワーボードの特性など)や既存塗膜の性質、下地の危険性をどれだけ深く理解しているかによって、工事の成功・失敗の9割が決まってしまうのです。
どんなに腕の良い職人が塗ったとしても、最初の診断者が選んだ塗料が構造に合っていなければ、数年後に必ず不具合が起きます。

今回の事例のように「予算が限られている」「できるだけ安く抑えたい」というご希望は当然あります。 しかし、「予算が少ないから膨れリスクのある塗料を塗っても仕方ない」というのはプロの仕事ではありません。
本当に知識とスキルがある診断士・施工業者であれば、予算が少なくても以下のような適切なアプローチ(工法)を提案できるはずです。
予算が少なくても、「安易な材料選びに走らず、建物の構造に合った最適な工法を工夫する」ことこそが、プロとしてのスキルと責任感です。
これから外壁塗装を検討されているお施主様が、このようなトラブルに巻き込まれないためにはどうすればよいでしょうか。
営業マンの威勢の良いトークや、見積書の表面的な「安さ」だけで業者を選ぶのは非常に危険です。以下のポイントをチェックしてみてください。
単にひび割れや汚れを見るだけでなく、「この外壁はALC(またはパワーボード)だから水分を含みやすい」「この仕上げには弾性はダメ」といった、建物の構造と塗料の相性まで見抜いて説明できるかが重要です。
「この塗料は最新で長持ちしますよ」「一番人気ですから」という決まり文句だけでなく、「お宅の外壁はALC(パワーボード)なので、内部の湿気を逃がすために〇〇という透湿性の高い塗料を選びました」と明確な理由を語れる業者を選びましょう。
「弾性塗料はひび割れをカバーしますよ」と良いことばかりを強調し、今回のような「ALCやパワーボードに塗った際の水ぶくれリスク」などを説明しない業者は、知識が不足しているか契約優先になっている可能性があります。
私たち「有限会社 ぺんき屋美装」は、昭和61年の創業以来、町田市を中心に地域密着で数多くの外壁塗装・屋根塗装を手がけてまいりました。
私が何よりも大切にしているのは、「自分の家だと思って建物を見、構造に合った正しい工法を考えること」です。
安さだけを追求した施工は、一時的にはお得に見えても、数年後に何倍もの補修費用となって跳ね返ってきます。
大切な我が家を長く、美しく保つためには、「誰が塗るか」と同じくらい「最初の段階で、誰が建物を見に来るか」が運命を分けます。
「我が家の壁はALC(パワーボード)だけど大丈夫かな?」「過去の塗装で壁がポコポコ浮いてきている気がする…」など、外壁に関する不安や疑問がございましたら、ぜひ一度ぺんき屋美装にご相談ください。
どのお宅も知識と現場愛を持った私多田が、責任を持ってお住まいを正しく診断させていただきに参ります。
ぺんき屋美装 代表 多田 勇一
______________________________
ぺんき屋美装ではメールでのお問合せを24時間受け付けておりますのでお気軽にどうぞ!
10年~15年先の次の塗り替えまで安心してお過ごし頂ける塗り替えをお約束します
町田市・八王子市・多摩市の外壁塗装はぺんき屋美装
なぜ〝ぺんき屋美装〟の塗り替えは長持ちするのか、動画でご紹介させて頂いております。よろしければこちらもご覧ください
https://www.painterwork.com/video/
「ぺんき屋美装」で働く職人さん達は、日々どんな思いで働いているのか?聞いてみました。
町田市で評判の良い塗装会社
_______ この記事を書いた人 ________
多田 勇一
プロフィール
東京都町田市の有限会社ぺんき屋美装代表取締役、40年以上住宅塗装に携わり、様々な新建材の使用された結果を見て来た経験から、塗装だけではなく建物に使用されている建材の状態や問題があればその建物の状態を正しく理解し、最善の施工の提案が出来るようひと月の施工件数を6棟までとし、お客さま一人一人にしっかりと寄り添い、本当に必要な工事を提供している。
保有資格
建築塗装一級技能士・二級施工管理技士(仕上げ)・NTスラリー瓦塗替え工法施工者認定・水谷ペイント認定技術者・スーパーセランフレックス 認定施工店・一般建築物石綿含有建材調査者
gg