投稿日:2026.06.13 最終更新日:2026.06.13
塗装業者の本音。見積書と違う「安いシーリング」にすり替えられる危険性【2026年緊急】オートンイクシードが受注停止?
目次
実は最近とても気になっている事があります。
それはナフサショックによる塗料や資材、そして特にひどいのがシーリングの受注停止が続いている事です。
一戸建ての約7割を占めると言われる「サイディング」の外壁。そのメンテナンスにおいて、外壁塗装と同じくらい、いえ、それ以上に重要と言っても過言ではないのが「シーリング(目地充填材)の打ち替え」です。
しかし今、外装リフォーム業界、そしてこれから外壁塗装を予定しているすべての施主様にとって、非常に深刻な事態が起きているのをご存知でしょうか。
現在、圧倒的な耐久性を誇り、業界のスタンダードでもあった超高耐久シーリング材「オートンイクシード」などが、原材料の供給不足によって受注一時停止、あるいは極めて深刻な品薄状態(2026年現在)に陥っているのです。
プロとして今、一番懸念しているのは、「見積書には高耐久なシーリング材が記載されているのに、現場では手に入りやすい安価な低グレード品にすり替えられて施工されてしまうのではないか」ということです。
今回は、大切な我が家を「手抜き工事」や「意図しないグレードダウン」から守るために、お客様自身が今絶対に知っておくべき現場のリアルと、今すぐできる確認方法を詳しく解説します。

1. なぜ今、オートンイクシードなどの高耐久シーリングが手に入らないのか?
外壁塗装を検討したことがある方なら、一度は「オートンイクシード」という名前を耳にしたことがあるかもしれません。一般的なシーリング材が8〜12年で寿命を迎えるのに対し、20年以上の驚異的な耐久性を持つとされる、サイディングの家には欠かせない超高性能な材料です。
しかし、2026年4月、製造元であるオート化学工業をはじめとする主要メーカーから、衝撃的な発表がありました。中東情勢の緊迫化に伴う原材料の供給混乱により、シーリング材全般の受注停止や大幅な出荷制限が課されることになったのです。
これは、一過性の「ちょっと在庫が足りない」というレベルではありません。 私たち塗装業者が、仕入れルートを駆使しても「いつ入ってくるか分からない」「予約すらできない」という、異常事態が現場では続いています。
家を長持ちさせたい施主様としては、当然「高くても良いシーリング材を使ってほしい」と考えますし、私たち誠実な業者もそれに応えたい。しかし、「物がない」という現実が重くのしかかっているのです。
2. シーリングの「グレードダウン」がもたらす恐ろしいリスク
ここで、「シーリングなんて、どれを使っても見た目は同じでしょ?」と思われたなら、それは非常に危険です。
サイディング外壁において、シーリングは「家のクッション」であり「防水の要」です。 日本の家は、地震による揺れ、気温差によるサイディングボードの伸縮、強風などによって常に動いています。その動きを柔らかく吸収し、雨水の侵入を防いでいるのが目地のシーリングです。
もし、オートンイクシードのような高耐久品(寿命約20年)を使う予定だったのに、手に入らないからといって、昔ながらの安価な一般ウレタンや低グレードなシリコン系(寿命約5〜7年)に変えられてしまったらどうなるでしょうか。
- わずか数年で目地がひび割れ、剥がれる
- 隙間から雨水が侵入し、サイディングの裏側や家の木骨を腐らせる
- 塗料は「20年長持ちするもの」を塗ったのに、シーリングの寿命のせいで10年足らずで足場を組み直して再工事になる
せっかく200万円近い大金をかけて耐久性の高いフッ素や無機塗料で外壁を塗っても、シーリングが先にダメになれば、防水性能はゼロになります。足場代が二重にかかるリスクを考えれば、シーリングのグレードダウンは家計にとって大打撃以外の何物でもありません。

3. プロが懸念する「悪質なすり替え」と「致し方ない変更」
見積書に「オートンイクシード使用」と書かれていれば、100%それが使われると信じるのが普通です。それが契約というものです。
しかし、現在の深刻なモノ不足の状況下では、業界内で二つの「すり替え」が発生するリスクがあります。
① 悪質な業者による意図的なすり替え
「どうせ今、オートンは手に入らない。適当に安い材料で打っておいて、お客様には『ちゃんとやりました』と言えばバレないだろう。材料費も浮いてラッキーだ」 非常に悲しいことですが、このように施主様の無知につけ込み、見積もり通りの金額を取りながら、中身を安い材料(例えば数年で劣化するようなノンブリードの汎用ポリウレタンなど)にすり替える悪徳業者が存在する可能性は否定できません。シーリング材は、固まってしまえば素人目には判別が不可能だからです。
② 職人の焦りによる「無断の仕様変更」
もう一つは、悪意はないものの、現場の工期に追われた業者が犯すミスです。 「来週からシーリングの工程なのに、発注していた高耐久材が届かない!工期を遅らせると足場代がかさむし、職人の手配も狂う。仕方ない、近くのホームセンターで手に入る材料で済ませてしまおう。お客様に言うとややこしくなるから黙っておこう……」 これも立派な契約違反ですが、現在の供給ストップ問題のせいで、パニックになった業者が苦肉の策としてやってしまうケースが懸念されます。
いずれにせよ、損をするのは「高いお金を払って、我が家が数年で雨漏りするリスクを背負わされた施主様」なのです。
4. 我が家の工事を守るために!施主自身ができる「3つの自衛策」
では、私たちは業者の言葉を信じるしかないのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。正当な対価を支払い、大切な住まいを守るために、お客様自身も「現場を確認する目」を持つべきです。以下の3つのアクションを実行してください。
自衛策①:施工前に「実際の缶・チューブ(カートリッジ)」を見せてもらう
シーリング材は、缶に入った2成分形(現場で混ぜるタイプ)や、筒状のカートリッジ(1成分形)で現場に搬入されます。 工事が始まったら、あるいはシーリング工程に入る前に、現場の職人や管理者にこう伝えてください。 「今回使うシーリング材のパッケージ(ロゴ)を、確認のために見せていただけますか?」 本物のオートンイクシードであれば、はっきりと商品名が印刷されています。もし、全く違うメーカーの、見たこともない安い材料が置いてあれば、その場で「これは見積書と違いますが、どうしてですか?」と指摘することができます。まともな業者であれば、見せるのを嫌がることは絶対にありません。
自衛策②:使用した材料の「写真」を残してもらう
日中、仕事などで現場に立ち会えない場合は、事前に業者へお願いをしておきます。 「あとで安心したいので、実際に我が家で使用するシーリング材の型番が分かる写真と、施工中の写真を工程ごとに撮影して、完了報告書に載せてください」 これを契約時、あるいは着工前に念押ししておくことで、業者側に「この施主はしっかりチェックしているな。絶対に誤魔化せない」という強いプレッシャー(良い意味での緊張感)を与えることができます。

自衛策③:代替品になる場合は「差額の返金」や「書面での合意」を求める
万が一、本当にオートンイクシードが入手できず、どうしても別の材料を使わざるを得ない場合もあります。その場合、誠実な業者であれば、施工前に必ず以下のような相談を施主様にします。 「申し訳ありません、現在オートンイクシードがメーカー受注停止のため、同等品の〇〇(例:他メーカーの高耐久ウレタンなど)に変更させていただけないでしょうか。その場合、材料費が変わるので見積もりを修正します」
このように、事前に理由を説明し、性能の差や金額の増減(安くなるならその分減額する)を提示してくれるのが優良業者です。何の説明もなく材料が変わっていたり、変更されたのに見積もり金額がそのままだったりする場合は、断固として説明を求めてください。
まとめ:見積書は「安心の約束手形」。今こそ確認の声をあげよう
外壁塗装は、10年〜20年に一度の、人生の中でも非常に大きな買い物です。 見積書に記載された塗料やシーリングを使うのは、プロとして、そして契約として「当然の義務」です。しかし、今の建材不足の時代だからこそ、「当然」が揺らいでしまうリスクがあります。
「職人さんに細かいことを聞いたら失礼かしら……」 そんな風に遠慮する必要は一切ありません。本当にプライドを持って、良い仕事をしている職人や業者であれば、施主様が材料に関心を持ってくれることをむしろ嬉しく思い、喜んで説明してくれるはずです。
「本当に、我が家の工事で契約した通りの材料が使われているか」
ぜひ、ご自身の目で確かめてみてください。その一言、その確認の目が、10年後、20年後に「この家に住み続けてよかった」と思える未来を作ります。
もし、今提示されている見積もりや、現場の状況に少しでも不安を感じたら、いつでも私たちのような信頼できる専門家にご相談ください。
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_______ この記事を書いた人 ________
多田 勇一
プロフィール
東京都町田市の有限会社ぺんき屋美装代表取締役、40年以上住宅塗装に携わり、様々な新建材の使用された結果を見て来た経験から、塗装だけではなく建物に使用されている建材の状態や問題があればその建物の状態を正しく理解し、最善の施工の提案が出来るようひと月の施工件数を6棟までとし、お客さま一人一人にしっかりと寄り添い、本当に必要な工事を提供している。
保有資格
建築塗装一級技能士・二級施工管理技士(仕上げ)・NTスラリー瓦塗替え工法施工者認定・水谷ペイント認定技術者・スーパーセランフレックス 認定施工店・一般建築物石綿含有建材調査者
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