blog

塗装工事の保証とは?どこまでやってくれるの?


皆さんいかがお過ごしですか?
今日の町田は朝からどんより曇り空。

なんとか一日もってくれて助かりました

さて本日は誰でも気になる塗装の保証について、実際の対応例を通して詳しくお話していきますね。

「塗装の保証」について

八王子市のお客様から送られた写真が…

今年に入って屋根からベランダにパラパラと塗膜みたいな物が落ちて来たので気になってみてみたら、こんな状態でした。と写真が送られてきました。

それがこれです。

え!何故こんな事に・・・

こちらのお宅はぺんき屋美装で建物全体を塗り替えさせていただいたのは一昨年の2年前です。

とにかく、工事を担当した職人と共に現状の確認と原因調査に向かいます

大切なのは根本原因を特定する事

実際に伺って屋根に上って見てみると・・・

これは、ひどい・・・なんでこんな事にと一瞬頭が真っ白になりました

ですが、こんな時こそ、とにかく塗り直しますと安直に塗り重ねてしまうのは危険なんです

剥がれたら塗ります。というのは実は一番ダメな業者のやる事です

まずは、何故剥がれたか原因を探る為、いくつかのテストを行います。

まずは表面塗膜の状態を知る為にちょっとだけ強めのシンナーで拭いてみます。

シンナーで拭くと表面の艶がなくなり『沈降』という現象が起きました

これは、硬化剤が適量しっかり入っていて塗膜自体が安定している事を意味しています。

硬化剤の配合ミスの場合、完全硬化をしていないので、沈降せずにシンナーで溶けてしまいます。

つまり、施工時の主剤と硬化剤の計量ミスや、混合ミスの原因は消えました。

今度はテープを貼って剥がしてみます、使用するのはパイオランテープです

上から遠慮なくゴリゴリと擦ってみます

そして、剥がしてみると・・・

テープに塗膜がくっついてきます・・・

そして、そのテープについている塗膜の色は、写真のように、我が社で塗ったグレーでは無く元の塗膜のグリーンでした

結論そして原因は

剥がれたのは前回の塗装が原因でした
前回グリーンで塗られた屋根は、今回我が社でグレーに塗り替えられています。

剥がれた塗膜の裏には、しっかりとグリーンの色をした塗膜がついていて、屋根側にもグリーンが残っています。

総合して考えた結果

パイオランテープテストで剥がれたのは上塗りで、屋根に残っているのは中塗りという事になります。

これらを元に考えると、前回の塗装のインターバルオーバーが原因という結論に至りました。

常にしっかり乾かしてからという考え方は危険

インターバルオーバーというのは、塗装間隔が長すぎたという事を意味しています。

塗料メーカーでは、単純にシーラーは2時間から3日以内、仕上げ塗料は4時間以上10日以内と書かれていますが、特に最近夏場などは、中塗りから10日も空けて上塗りをしたらインターバルオーバーになっても仕方ない気温になっています。

夏場は1日で下塗りから中塗りまで終わらせて、翌日には仕上げるのが正解。

気象条件や建物の条件は様々だからこそ、塗料メーカーの推奨施工要領よりも現場判断が正しい事もあるのです。

日中の高温から夜になって気温が下がるのを10日もやれば、すでに塗膜として完成してしまいます。

つまり今回の屋根は、仕上げ一回塗りの軟弱塗膜が出来上がり、その上に『ピン』つまり仕上げの塗装を一回しか塗らないインチキ塗り替えが行われた状態になっていたのです。

結局は知識不足が原因

前回塗装をした職人さんは、カタログに書いてある通りやったのだから問題無いと考えて作業をしたかもしれません。

ですが、カタログに全ての可能性を書ききる事は出来ないです。

春夏秋冬の注意事項を施工要領にまとめたら、膨大な資料となって、結局誰も読まなくなってしまいます。

だからこそ経験と知識が必要な仕事なのです

カタログ通りでも経験だけでも無く、カタログから塗料の特徴を理解し、その日の気温や湿度に適した工程工法で施工を行うという事は、実は職人仕事はどの業種も基本だと私は考えます。

原因は分かった。この後どう動くか?

とにかく前回の塗装は問題を抱えた塗装だったという事が分かりましたので、ここで問題をガッチリ止める必要が有りますよね。

屋根の上で遠慮なく作業をするには、まずは足場架けからです

密着していない塗膜を徹底的に除去するには、足場を架けて、ご近所に剥がれた塗膜が飛び散らないようにブルーシートを全面に張るなど予防の徹底も必要です。

いざ高圧洗浄!

トルネードを使用し丁寧に、圧力をかけて洗ってはいますが、まさかこんなに剥がれてしまうとは・・・

高圧洗浄の水分が無くなったところで、追い打ちをかけて手作業で浮いた塗膜を剥がしていきますが、これ以上剥がれる事はありませんでした。

爪も引っかからない状態までにして、下塗りのシーラーを塗装します

シーラーは透明の物を使って、乾いたら完全に密着しているか?しっかり確かめて中塗りへ進みます

しっかり密着していないと、足を踏ん張っただけで、シワが寄るようにシーラーの塗膜が剥けてしまうんです

右から塗っていますが、左側の様子と比べて見るとシームレスに仕上がっているのが分かるかと思います

下塗り、中塗り、上塗り全工程が完了しました

何事もなかったようにキレイに仕上げる事が出来ました

担当した職人の意地と職人魂の成せる作品です

『もう同じことはおきませんので、ご安心ください』と自信をもって言えます

今後考えられる様々な問題を徹底的に考察し再施工しています

今回の工事は有料となりましたが

それは、剥がれた要因が私たちが塗る前の塗装に原因があったためです。

ただし、足場費用(激安)に塗料代金をご負担いただき、私達の手間は請求しないという形にさせていただきました。

我が社の瑕疵ではないけれど、だからって、人として、職人として、普通に請求は出来ませんよね。

ある意味この姿勢こそが、ぺんき屋美装の保証の姿なのかもしれませんね。

『ぺんき屋美装の保証』

瑕疵が有る、無しに関わらずお客様の困ったを解決する事こそが我々の責任だと思っています。

ただ『塗り直します』という保証が無意味なばかりか、更に問題を複雑にしてしまう事になるので、まずは問題が起きた理由を特定する事から始めなければ意味が無いという事をお話して参りました。

塗装の保証を考えるご参考になれば嬉しいです。

______________________________

ぺんき屋美装ではメールでのお問合せを24時間受け付けておりますのでお気軽にどうぞ!

10年~15年先の次の塗り替えまで安心してお過ごし頂ける塗り替えをお約束します
町田市・八王子市・多摩市の外壁塗装はぺんき屋美装

なぜ〝ぺんき屋美装〟の塗り替えは長持ちするのか、動画でご紹介させて頂いております。よろしければこちらもご覧ください
https://www.painterwork.com/video/

「ぺんき屋美装」で働く職人さん達は、日々どんな思いで働いているのか?聞いてみました。

現場で働く職人の本音トークはこちらからどうぞ

_______ この記事を書いた人 ________

多田 勇

プロフィール

東京都町田市の有限会社ぺんき屋美装代表取締役、40年以上住宅塗装に携わり、様々な新建材の使用された結果を見て来た経験から、塗装だけではなく建物に使用されている建材の状態や問題があればその建物の状態を正しく理解し、最善の施工の提案が出来るようひと月の施工件数を6棟までとし、お客さま一人一人にしっかりと寄り添い、本当に必要な工事を提供している。

保有資格

建築塗装一級技能士・二級施工管理技士(仕上げ)・NTスラリー瓦塗替え工法施工者認定・水谷ペイント認定技術者・スーパーセランフレックス 認定施工店・一般建築物石綿含有建材調査者

この記事をシェアする

関連記事